機械学習って何があるの?

皆さん、こんにちは。技術開発グループのn-ozawanです。
桜の開花が発表されました。東京での満開は3月29日と予想されています。

本題です。
今は第3次AIブームと言われいます。そんな第3次AIブームを牽引している技術の1つに機械学習があります。深層学習(ディープラーニング)も機械学習の1種です。今回はそんな機械学習についてまとめてみました。

機械学習

機械学習とは何か?

機械学習とは、コンピュータがデータからパターンやルールを学び、それを使って新しいデータに対して予測や判断を行う技術です。従来のプログラミングでは、開発者がルールを明示的にコード化しますが、機械学習では、コンピュータが大量のデータを分析して自動的にルールを見つけ出します。これにより、複雑な問題を効率的に解決できるようになります。

機械学習は第3次AIブームを牽引しています。しかし、機械学習の研究自体は、それよりもはるか昔の1950年代から進められていました。機械学習がブームの火付け役となったのは、2000年代にインターネットが普及し、ビッグデータを活用して大量のデータを学習できるようになったためです。

機械学習は多くの場面で利用されています。以下はその利用例の一部です。

  • 画像認識
  • 音声認識
  • 自然言語処理
  • 自動運転
  • レコメンデーションシステム

機械学習には多くの種類があり、それぞれに優劣はありません。ただし、機械学習には向き不向きがあるため、解決したい課題に応じて適切な手法を選択することが重要です。機械学習は主に以下の3つに分類されます。

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習

教師あり学習

教師あり学習は、入力データとそれに対応する正解ラベル(教師データ)を用いてモデルを訓練する機械学習の手法です。この手法では、モデルが入力データから正解ラベルを予測できるように学習を進めます。

例えば、画像認識のタスクでは、猫の画像を入力データ、ラベルとして「猫」という正解を与えます。モデルはこれらのデータを学習し、新しい画像が与えられた際に、それが猫かどうかを予測できるようになります。

教師あり学習の代表的なアルゴリズムには以下があります。

  • 線形回帰やロジスティック回帰
  • サポートベクターマシン(SVM)
  • 決定木やランダムフォレスト
  • ニューラルネットワーク

教師あり学習は、分類(例:スパムメールの判定)や回帰(例:住宅価格の予測)といったタスクに広く利用されています。ただし、正解ラベル付きのデータを用意する必要があるため、データ収集やラベル付けにコストがかかる点が課題です。

教師なし学習

教師なし学習は、入力データに正解ラベル(教師データ)が付与されていない場合に使用される機械学習の手法です。この手法では、モデルがデータの構造やパターンを自動的に見つけ出すことを目的とします。

例えば、顧客データを分析して、似た特徴を持つ顧客をグループ化するクラスタリング(例:マーケティングにおける顧客のグループ分け)や、異常なデータを検出する異常検知(例:クレジットカードの不正利用検知)などに利用されます。

教師なし学習の代表的なアルゴリズムには以下があります。

  • 階層なしクラスタリングと階層ありクラスタリング
  • 主成分分析(PCA)
  • 協調フィルタリング
  • トピックモデル(LDA)
  • 自己組織化マップ(SOM)

教師なし学習は、データの特徴を理解したり、未知のパターンを発見したりするのに適しています。ただし、正解ラベルがないため、結果の解釈が難しい場合がある点が課題です。

強化学習

強化学習は、エージェント(学習者)が環境との相互作用を通じて、試行錯誤しながら最適な行動を学習する機械学習の手法です。エージェントは、環境から得られる「報酬」を最大化するように行動を選択し、学習を進めます。

例えば、自動運転車のシステムでは、エージェントが道路状況や交通ルールを考慮しながら、最適な運転操作を学習します。報酬は「安全に目的地に到達する」や「燃料消費を最小化する」といった目標に基づいて設定されます。

強化学習の代表的なアルゴリズムには以下があります。

  • Q学習(Q-Learning)
  • 深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)
  • モンテカルロ法

強化学習は、ゲームAI(例:AlphaGo)、ロボット制御、自動運転、金融取引など、試行錯誤が可能な環境で特に効果を発揮します。ただし、学習には多くの試行回数が必要であり、計算コストが高い点が課題です。

おわりに

教師あり学習と教師なし学習の違いは、モデルに与えるデータに正解ラベルが付与されているか否か、になります。先ほども述べた通り、教師あり学習は大量のデータに正解ラベルを付与する必要があり、コストが非常にかかります。そのため、半教師あり学習という、一部のデータに正解ラベルを付与して、その他のデータには付与せずに学習する手法も存在します。

また、ImageNetでは、事前に大量の画像データに正解ラベルを付与したデータセットを公開しています。このような学習用のデータセットは色々なところで公開されていますので、利用してみるのもいいでしょう。

ではまた。

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