AIを深く知りたい人のための数学 第2回 累乗・平方根・対数
皆さん、こんにちは。LP開発グループのn-ozawanです。
10月になりましたね。10月は熊が冬眠前に食料を大量に摂取する必要があり、活動範囲を広げるため、熊との遭遇が増える時期になります。東京都はツキノワグマの目撃情報を可視化する「TOKYOくまっぷ」を公開しています。
本題です。
このIT業界で業務アプリを開発していると累乗、平方根、対数をプログラムする機会はほとんどありません。しかし、より深く理解しようとするとそれらが登場する機会があります。もちろん、AIを勉強していると当然のように登場します。今回は累乗、平方根、対数を思い出します。
※「AIを深く知りたい人のための数学」は、数学を忘れてしまったエンジニアを対象に、中学数学から思い出すことを目的としたシリーズです。
目次
累乗
とある数を繰り返しかけ合わせることを累乗と言います。べき乗とも言います。かけ合わせる回数を右上に小さく表記して、「○○の××乗」と読みます。例えば5を4回かける合わせる場合は54と表記し、「5の4乗」と読みます。

5のことを「底」、4のことを「指数」と呼びます。

余談ですが、私たちエンジニア(私だけかもしれませんが)は2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024…の値が大好きです。コンピュータの内部は2進数で処理されているため、コンピュータが扱える情報量は2xになります。その為、先ほどの数はコンピュータにとって親和性が高い数なのです。
平方根
平方根とは、ある数xを2乗して元の数aになるような数のことです。例えば元の数が9の場合、その9は、3もしくは-3を2乗した数です。よって、9の平方根は3もしくは-3になります。

9の平方根を数学の記号で表す場合は、√9と表記します。√はルートと読みます。

平方根はとある数を2乗した元の数のことで、とある数を3乗した元の数は立方根と言います。なお、n乗した元の数はn乗根と言います。立方根およびn乗根はルートの左上に指数を表記します。

余談ですが、JUASが公表したソフトウェアメトリックス調査2020では、全体工期と全体工数の関係を、2.70 × 3√全体工数 = 全体工期(※) としており、見積もった工数に対してスケジュールした期間が適切か判断する指標に立方根が関係します。
※ Excelなどで計算したいときは、「=工数^(1/3) * 2.7」などにするとよいです。
対数
とある数と底の関係から、その指数を求めるのが対数です。例えば底が5でとある数が625の場合、5を何乗すれば625になるのかを求めます。

5を底とする625の対数を表記する際は、log5 625 のように表記します。

対数の底を省略して「log a」のように表記される場合があります。その場合は文脈によって底を推察するしかありません。常用対数と明記されていれば底は10ですし、自然対数と明記されていれば底はネイピア数になります。AI関連の数式で登場する対数は、特に明記がなければ自然対数になります。
おわりに
平方根(n乗根)は累乗の低に着目し、対数は指数に着目します。累乗・平方根・対数をまとめると以下のようになります。こうしてまとめると、どこを求めたいのかがよく分かると思います。

ではまた。