AWS Storage Gateway の色んなGatewayをまとめる
皆さん、こんにちは。技術開発グループのn-ozawanです。
梅雨も明けて本格的に夏ですね。気象庁の歴代全国ランキングによると、最も高い最低気温は、2023年8月10日の新潟県糸魚川市で31.4℃とのことです。今日も熱中症に気を付けましょう。
本題です。
オンプレミスからAWSクラウドのストレージへアクセスに利用するのがAWS Storage Gatewayです。AWS Storage Gatewayは、ファイルゲートウェイ、テープゲートウェイ、ボリュームゲートウェイの3つ分類され、初めてStorage Gatewayを聞いた人は何がどう違うのか分からないと思います。今回はそれぞれの特性や用途をまとめようと思います。
目次
AWS Storage Gateway
AWS Storage Gateway とは
AWS Storage Gatewayとは、オンプレミス環境からAWSのストレージサービスへアクセスするためのGatewayです。システムをオンプレミスで構築しつつ、大容量で堅牢なS3などにデータを保存することが可能になります。主な用途としてはデータのバックアップなどが挙げられます。
AWS Storage Gatewayではデータの特性などから以下の3つに分類されます。
- ファイルゲートウェイ
- テープゲートウェイ
- ボリュームゲートウェイ
ファイルゲートウェイ
ファイルゲートウェイは、オンプレミスからAWSのストレージへ、ファイル単位のアクセスを提供します。ファイルゲートウェイはアクセス先のストレージにより、「Amazon S3 ファイルゲートウェイ」と「Amazon FSx ファイルゲートウェイ」の2つに分類されます。
Amazon S3 ファイルゲートウェイは、オンプレミス環境からAmazon S3へのアクセスを提供します。オンプレミス側にStorage Gatewayを構築し、S3と関連付けることにより、NFSもしくはSMBによるファイル共有が実現できます。

Amazon FSx ファイルゲートウェイは、オンプレミス環境からAmazon FSxへのアクセスを提供します。Amazon FSxとはWindowsのファイルサーバーであり、Windowsとの親和性がよく、高い可用性と耐久性を持ちます。

テープゲートウェイ
テープゲートウェイは、オンプレミス環境で磁気テープなどに記録した大容量のバックアップデータをS3へ保存する場合に利用します。
磁気テープはデータを圧縮することで45TBの大容量を記録することが出来るうえ、HDDなどの記録媒体に比べて単価が圧倒的に安いというメリットがあります。その為、今でも磁気テープを利用しているシステムはあります。テープゲートウェイはその磁気テープへ記録するデータをクラウド上にバックアップするためのサービスです。
データは、S3 Glacier Deep Archiveに保存されます。

ボリュームゲートウェイ
ボリュームゲートウェイは、オンプレミスからAWSのストレージをiSCSI デバイスとしてマウントが出来るGatewayです。ファイルゲートウェイはファイルごとにストレージに保存することが出来るのに比べて、ボリュームゲートウェイはオンプレミスのデータのスナップショットを保存するという違いがあります。
ボリュームゲートウェイには「キャッシュ型ボリューム」と「保管型ボリューム」の2つがあります。
キャッシュ型ボリューム
キャッシュ型ボリュームは、頻繁にアクセスするデータをオンプレミス環境にキャッシュします。キャッシュしたデータは低遅延アクセスを実現できますが、キャッシュされていないデータはS3から取得する必要があります。キャッシュ型ボリュームはオンプレミスで保持するデータ量が少なくなる、というメリットがあります。

保管型ボリューム
保管型ボリュームは、全てのデータをオンプレミス側に保持しておき、スナップショットだけをS3にアップロードします。データ全体に対して低遅延のアクセスを実現する一方で、オンプレミスで保持するデータ量は大きくなります。

おわりに
前回に続いて、○○ゲートウェイが増えました。AWSを勉強していると色んなゲートウェイが出てきて混乱してしまいますね。ただ、そのゲートウェイの目的や用途を一つ一つ整理していくことで、色んなゲートウェイを覚えていけるのではないでしょうか。
ではまた。