Amazon S3 のストレージクラスまとめ
皆さん、こんにちは。技術開発グループのn-ozawanです。
国税庁は酒類業の所轄官庁であるため、国税庁のサイトでは日本全国の酒蔵マップが公開されています。
本題です。
AWSのストレージサービスと言えばS3です。「Simple Storage Service」を略してS3です。その名の通り、非常にシンプルなストレージサービスで、大容量のデータを安全に保存することが出来ます。S3は様々な用途を想定してストレージクラスが豊富に用意されています。今回はS3のストレージクラスについてまとめてみました。
目次
S3 のストレージクラス
S3 標準
名前の通り、一般的に使われるストレージクラスです。特に指定しなければS3 標準になります。S3 標準はアクセス頻度の高いデータ向けに高い耐久性とパフォーマンスを提供します。一般的なWebアプリや動画サイトなどのコンテンツ配信、ビッグデータ分析など幅広いユースケースに対応しています。
S3 標準-IA
S3 標準-IAは、長期的に保存、かつ、アクセス頻度の低いデータに対して低価格の料金で利用できるストレージクラスです。バックアップデータなど、普段は使わないけど、使う際にS3 標準と同等のパフォーマンスでデータを取得したいときに利用します。「IA」はInfrequent Accessの略で、アクセス頻度が低いという意味になります。
S3 Intelligent-Tiering
S3 Intelligent-Tiering は、S3に格納されたデータのアクセス頻度をモニタリングし、アクセス頻度の低いデータを自動的に低コストの階層に移動します。S3 に保存しているデータのアクセス頻度が不明、もしくは、時期などにより変動する際に利用します。これにより費用対効果が改善され、S3のコストを低く抑えることが出来ます。
S3 Express One Zone
S3 Express One Zoneは、最もアクセス頻度が高いデータ向けに構築された、高性能ストレージです。S3 標準と比べてデータアクセス速度が10倍向上するとされています。もちろんS3 標準と比べて料金もお高めです。
S3 One Zone-IA
S3 One Zone-IAは、S3 標準-IAのデータよりも重要でないデータ向けに、S3 標準-IAより低価格で利用できるストレージクラスです。データ破損のリスクがありますので、オンプレミスや、容易に再作成可能なセカンダリバックアップデータを保存するのに適しているとされています。
S3 Glacier のストレージクラス
S3 Glacierは、データの長期保存に設計されたアーカイブ用のストレージサービスです。S3 Glacierは3種類のアーカイブストレージクラスに分類されます。
S3 Glacier Instant Retrieval
S3 Glacier Instant Retrievalは、年に数回しかアクセスされない、長期保存されたアーカイブデータを、ミリ秒単位の高パフォーマンスで取り出すためのアーカイブストレージクラスです。四半期に1度データにアクセスする場合、S3 標準-IAと比較してコストを最大68%節約できるとされています。
S3 Glacier Flexible Retrieval
S3 Glacier Flexible Retrievalは、年に1~2回しかアクセスされない、長期保存されたアーカイブデータを非同期で取り出すためのアーカイブストレージクラスです。データを取り出すのに数分から数時間を要しますが、S3 Glacier Instant Retrievalと比較して最大10%のコスト節約となります。
S3 Glacier Deep Archive
S3 Glacier Deep Archiveは、S3で最も低コストのストレージクラスで、データの取り出しに最大12時間かかります。磁気テープの代替策としても費用対効果は高いとされています。
どれを選べばいいの?
一言でS3と言っても、こんなにストレージクラスがあるとどれを選べばいいのか迷いますね。ざっくりとではありますが、フローにまとめてみました。

おわりに
S3のストレージクラスをまとめてみました。データの特徴を捉えて適切にストレージクラスを指定することで、コストを低く抑えることが出来ます。先ほどの選別フローでは、上がコスト高で下がコスト低としていますが、実際の料金は保存したデータ量だけでなく、データを取り出すための費用や、Intelligent-Tieringでは別途モニタリング費用がかかりますので、使い方によってはフロー通りのコストにならないことに注意が必要です。詳細は公式サイトの料金表をご確認ください。
ではまた。